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アスパラガスの三角形の正体

アスパラガスは春の味覚として親しまれています。名前の語源は、ギリシャ語で「たくさん分かれる」という意味の「アスパラゴス」で、新芽のことを指していると言われます。
日本では江戸時代に観賞用としてオランダから伝わりました。食用になったのは明治期以降ですが、一般的に食卓にのぼるようになったのは昭和になってからと、つい最近のことです。国内での収穫量は北海道で最も多くなっており、長野県、佐賀県と続いています。

茎に付いている三角形は「葉っぱ」

アスパラガスの茎をよく見てみると、三角形の鱗のようなものが付いています。実はこれがアスパラガスの「葉っぱ」なのです。
面白いことにこの葉っぱは「光合成をしない葉っぱ」です。葉っぱが光合成しないでどうやって成長するのでしょうか?なんと、茎が光合成をします。
太い茎の側面から小さな茎の芽がいくつも生え出し、その芽が成長し葉っぱのように生い茂り、光合成をしてくれます。あくまでも茎なのですが、見た目はまるで葉っぱなので「擬葉」と呼ばれます。
本当の葉っぱである三角形の部分は、春がくる前の寒い時期にその茎の芽にぴったりとくっついて、芽を守っているのです。こう考えると、アスパラガスの先端に三角形が集まっている理由も分かってきます。いちばん最初に寒い空気に触れることになる先端を、葉っぱが何層も重なって守ろうとした結果なのです。

おいしいアスパラガスの見分け方

先日都内のマルシェで、生産者の方から、この「三角形」を使って良いアスパラガスを見分ける、とっておきの方法を教えて頂きました。それは「三角形と三角形の間隔が広いものを選ぶ」ということです。三角形の葉っぱの間隔が広いということは、土からの養分を吸い上げグングンと成長したことの証なのだそうです。興味深いお話で聞き入ってしまいました。新鮮な野菜が手に入ることもさることながら、こうして作り手の方から野菜の話をじかに聞けるのも、マルシェの醍醐味だなとあらためて感じました。
おいしいアスパラの選び方としては他にも「茎が太くまっすぐ伸びていて、穂先にはりがあるもの」というものもあります。次にアスパラガスを買うときには、これらを思い出して少し観察してみると、良いものが選べるかもしれませんね。