日本有数のぶどうの産地として知られる、山梨県甲州市の勝沼。この町で毎月第一日曜日に行われるのが「かつぬま朝市」です。
筆者が到着した10時過ぎには、すでに会場は多くの人で大盛況。かつぬま朝市の公式ホームページによると、来場者数はおよそ4000人とのことですが、ゴールデンウィーク中ということもありそれ以上ではないかと思うほどでした。
今回、このかつぬま朝市を主催・運営されている「かつぬま朝市会」の高安会長に、お話を伺うことができました。
続けていけば、何かが起こる
いまでこそ200以上の店がならび、数千人が足を運ぶかつぬま朝市。
ところが、当初からこのような規模のものを目指していた訳ではなかったそうです。
それが、自然とここまで大きくなったのは、ひとえに「続けてきたこと」が理由だとおっしゃっていました。
「ボランティアでやる以上、自分たちが疲れてしまっては続かない。まずは、自分たちが楽しめなければ」
様々な試行錯誤と長い年月を経て、今の形へと成長してきたのだそうです。
かつぬま朝市ならではの魅力
「会場にいる人たちみんなが明るいね」
多くの来場者、出店者の方々が口をそろえて、こう言ってくれるそうです。
このかつぬま朝市には、地元以外からも出店者を受け入れています。また、これだけの規模ですので市外、そして県外からの来客も多くあります。
ですが、会場にいるさまざまな人達のあいだに、「境界線」は全くありません。観光で来た人と地元の人、出店者と来場客、色々な人と人のあいだに、笑顔や楽しげな会話があふれていました。
ー少量しか取れない、野生のニホンミツバチの「幻のハチミツ」についてお話する「陽光養蜂場」の店主。お相手は、長野県から来たご夫婦でしたー
皆が楽しんでくれたら「成功」
「みんなが楽しんでくれて初めて『成功』だ」
高安会長はこのように話します。印象深かったのは、朝市の終了後に出店料を受け取る際、出店者の方々が「楽しかった、ありがとう」と声を掛けてくれる、というお話です。
出店者が楽しめるから、客も自然と楽しい気持ちになる。出店者は客との会話や、商売を楽しみ、満足して、その場を作ってくれたこと主催者に感謝し、お金を手渡す。この素敵な循環が成立しているのも、主催者の方々の努力や工夫の継続があったからこそなのでしょう。
ー手作りのジャムを売る「手仕事工房」さん。色々な味を試食させて頂き、特に好みだったものを2つほど購入ー
横への広がり
かつぬま朝市の先に主催者の方々が描いているものは、「横への広がり」です。
この朝市に出店したことで、次第にファンが増え、実店舗を持つに至った方もいらっしゃるようです。また、出店者どうしがこの朝市でつながり、コレボレーション企画が生まれることもしばしばとのことです。会場の雰囲気を肌で感じた筆者は、この先も、新たなつながりや動きが、この朝市を中心に広がっていくであろうことを、強く感じました。
ー野菜や果物だけでなく、雑貨、洋服、焼き物、加工食品など、多様な出店者が並ぶー
かつぬま朝市の開催情報
開催日は、毎月第一日曜日。場所はシャトレーゼ勝沼ワイナリーの敷地です。次回は6月2日(日)9:00〜12:00になります。子どもからお年寄りまで誰もが楽しめるかつぬま朝市に、ぜひ足を運んでみて下さい。