タマネギ 涙のわけ

タマネギはカレー、シチュー、牛丼、肉じゃがと、多様な料理で目にする野菜です。
タマネギの国内生産は北海道が50%以上を占め、そこに佐賀、兵庫、愛知、長崎と続きます。全国各地で栽培されていますが、栽培方法は地域によって異なり、大きく分けると「春まき栽培」「秋まき栽培」の2つがあります。北海道では2月に播種(はしゅ)する春まき栽培を、関東より西の地域では9月に播種する秋まき栽培を、おもに行います。

涙の出る原因

タマネギを調理する時に大変なのは、目に「何か」が染みて涙が止まらなくなることです。この「何か」の正体は、硫化アリルという成分です。硫化アリルは、血液の循環を良くしてくれるので高血圧予防になったり、新陳代謝を促したりとすぐれた効能を持っています。また、タマネギやニンニク、ニラに共通した匂いのもととなっている成分でもあります。
タマネギを切ると、切り口の細胞がつぶれたところからこの硫化アリルが揮発します。名前からも見て取れるように硫黄化合物ですので、刺激性が強くなっています。これが目に入ることによって粘膜を刺激するために、自然と涙が出てくるのです。

涙が出るのを防ぐ3つの方法

目に染みる原因が分かったので、あわせて対処法も覚えておきましょう。主な方法を3つご紹介します。

  1. 冷蔵庫で冷やしておく
    冷やしておくことで硫化アリルの気化する力が弱まります。ただし、常温に戻ってしまうと元通り。切る直前に冷蔵庫から取り出すようにしましょう。
  2. 換気扇の近くで切る
    気化した硫化アリルを逃がしてやることが、目に染みるのを防ぎます。同様に、窓を開けておくのも良いでしょう。
  3. よく切れる包丁を使う
    タマネギの細胞がつぶれることで硫化アリルは発生します。よく研いだ包丁でスパっと切ると、細胞が傷つかないため効果的です。

他にもユニークなものとしてゴーグルをつける、鼻栓をするといった方法も知られていますね。目に染みるのが気になる方は、これらの中から自分にあった効果的な方法を見つけてみて下さい。