鳥の色覚と花

植物の中には、鳥によって種子を遠くへ運んでもらったり受粉をするものが多くあります。そこには鳥にエサの在処を教える植物の戦略があります。

人に見えない色

鳥には人間には見ることのできない「紫外線領域」の色を見ることができます。長いくちばしが特徴的なハチドリは花の蜜をエサとしますが、花はハチドリに蜜のありかを教えるために、花弁の周辺部が紫外線領域の光を良く反射するようにできています。このような花の目印は「ハニーガイド」と呼ばれ、上手くハチドリを誘導し花粉を運んでもらうのです。

エサ以外の活用

鳥が紫外線を見る能力はエサを探すためだけのものではありません。多くの鳥ではオスとメスで羽毛の紫外線反射率が違うということが分かっています。これにより、人の目には同じに見えても、彼らはしっかりオスメスを区別することができるのです。

空を飛ぶ鳥が見ている景色は、我々人間の気になるところですが、彼らには我々には認識できない「色」まで見えているのですね。
それを利用する植物もさすがです。