ラップの厚さ

手作りのおにぎりを持ち運ぶ時、作りすぎてしまった料理を置いておく時、様々な場面でラップにはお世話になっていますね。今では、新鮮な農作物にとって、ラップは無くてはならない存在になりました。

ラップの裏側に放射線

このラップ、どこも厚さが一定になるようにしっかり検査を受けて生産されています。ラップの厚みは約10µm(1ミリの100分の1)ですが、一体どのようにしてラップの厚さを測定するのでしょうか? 実はここでも、このブログで何度か紹介している”放射線”が活躍しています。

原理はとても単純で、測りたい場所に放射線を照射して通り抜ける量を測定することで厚さがわかるのです。これは、放射線が物を透過する際に、厚さに応じて減衰する性質を利用しています。
工場の厚さ計には放射線(軟X線)の照射器と検出器が付いており、ラップの厚みをくまなくチェックしています。この技術はラップのみならず、紙や部品として使われる鉄板、さらにはチューインガムの厚さを測定する際にも用いられています。

さらに薄く

ところで先日、ラップの1000分の1の厚さの絆創膏が開発されたとのニュースがありました。厚さなんと75nm。
手術の際に傷ついた血管を素早く修復することが期待されています。この極端に薄い絆創膏が量産体制になった場合にも、放射線が使われるかもしれませんね。