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ゴーヤ、3つの生き残り策

近頃は、沖縄料理ブームということもあり、街中で沖縄料理屋さんを見かけることも珍しくありません。そんな沖縄料理の広まりとともに人気が出てきた野菜といえば、やはりゴーヤでしょう。あのほろ苦さと、イボのある見た目が特徴的な野菜です。これらの特徴は、ゴーヤが生き残るために身につけたと言われています。これが、実に理にかなったものであり、「ゴーヤって賢い!」と思わされます。

ゴーヤのイボイボは自前の貯蔵庫

ゴーヤのイボイボはただの飾りかと言えば、そうではありません。その役割には諸説ありますが、有力なのは「水分や栄養を貯めておく」というものです。もともと東南アジアの生まれで南国野菜のゴーヤは、乾燥や高温に耐えるすべとして、イボイボを貯蔵庫のように使います。つまり、例えば十分な降雨がなかったとしても、ここに貯めた水分や栄養を利用することで成長できるのです。南国の環境に適応しつつ、進化する中で身につけたのでしょうか。準備の良さに驚かされます。

苦さで外敵から実を守る

もう1つの特徴は、苦みです。あのほろ苦さがさっぱりとして美味しいのですが、やはり苦手な人にはなかなか食べられない味かも知れません。というのも、人間には本来、苦さを「毒」として拒否する反応が備わっているからです。ところでこの苦さは、もちろん人間以外の動物も感じます。すなわちこの苦味を使って、種をまけるほどに成熟するまでの若い間、鳥などから実を守っているのです。

種をまくために黄色く、赤く、甘くなる

じつは苦いままで終わりではないのが、ゴーヤの賢いところです。ゴーヤの果実は熟すと次第に黄色くなっていくということをご存知でしょうか。成熟しきって、黄色くなったゴーヤは最終的に大きく裂けます。そしてその内側には、赤くて大きな種。黄色に赤という強烈な色味は非常に目立ちます。さらには、若いころは苦く固かった果実が、甘くやわらかくなります。動物たちは当然、喜んで寄ってきます。こうして動物たちに、遠くへと種を運んでもらうのです。これらの方法を編みだしたゴーヤには、つくづく感心させられてしまいます。