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希望の米:ゴールデンライス

ビタミンAは我々が生きるのに必須の栄養素です。
しかし、世界には4億人がビタミンA欠乏状態にあるといわれ、子供は年間数百万人が死亡し、数十万人が失明しています。この問題を解決するために、ビタミンAの素となるβカロテンを豊富に含むイネが遺伝子改良により開発されました。2000年に開発されたこの米は、豊富に含まれたβカロテンが発する黄金色から、「ゴールデンライス」と名付けられました。

しかし、普通の米に比べて多くのβカロテンが含まれてるとはいえど、その量は充分ではなく、2歳の子供でも必要量を補うには3kgも食べる必要がありました。これでは実用的でないということで、更に改良が重ねられβカロテンの量を増やした品種が作られました。

これで充分かと思われたのも束の間、またもや問題に直面します。ゴールデンライスを必要とする地域の一部には、伝統的に米を炒めて食す習慣がありました。そして、米を油で炒めるとβカロテンの量が半減してしまうことがわかったのです。
そのため更に改良が行われ、ようやく十分な量のβカロテンを含んだものを作ることができました。

現在では、βカロテン含有量の改良に留まらず、実際に栽培する時のために害虫に強い性質を付与する改良も行われました。

たゆまぬ改良の結果、第一号が開発されてから10年以上が経ち、ようやく実用化への目処が立ってきています。
これからのゴールデンライスに注目です。