「ただの虫」がただの虫ではない理由

田畑には、多くの生物がいます。水田を例にとると生息している生物の数は約600種類いると言われています。それら生物は、人間に役立つ「益虫」と、某かの被害を作り出す「害虫」に分類されることが知られています。しかし、益虫でも害虫でもない「ただの虫」もたくさんいることをご存知でしょうか。田畑にとっては、この「ただの虫」も含めてすべての生物が生態系として必要であり、どれひとつかけてもバランスが壊れてしまいます。農薬等を使って単純に害虫を駆除してしまうと、生態系が崩れ、結果として農作物に悪影響が出てしまう場合があるのです。

生態系を保持するには

それでは、どのように生態系を保持すれば良いでしょうか?600種類に及ぶ生物の生態系を人間がすべてコントロールすることは簡単にはできません。田畑の周りに非農地をもうけ、茂みを作り、様々な生物が生息できるようにすることで、複雑な生態系を維持することができると言われています。すなわち自然環境の保全が、生物の多様性を実現し、どんな農薬よりも良い効果を発揮するかもしれないのです。

益虫も害虫も、そして「ただの虫」もとても大切な生物なのです。