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病気に強いパパイヤをつくる

パパイヤは日本ではそこまでなじみの食材ではありませんが、ハワイでは毎日の朝食に欠かせない食材です。

1990年代の初め、ハワイでパパイヤが全滅するということが起りました。原因はリングスポットウイルスという病原菌です。リングスポットウイルスに感染されたパパイヤは、果実にはっきりとした斑点ができ、生育が悪くなり収量が大幅に落ちてしまいます。ハワイにとってパパイヤがもたらす利益は非常に大きな部分を占めていたため、植え替えや予防接種など、伝統的なあらゆる手を尽くしてパパイヤをウイルスから守ろうとしました。しかし、どうしてもウイルスを一掃することはできず、対策は難航を極めました。

そこで、伝統的な方法ではなく最先端のバイオテクノロジーを駆使して、ウイルスに耐性を持つ組換え品種をつくるという試みが、ハワイ出身の研究者を中心に行われました。具体的には、毒性を弱くしたウイルスがもっているタンパク質の遺伝子を「遺伝子銃」という道具を使って、パパイヤの遺伝子に打ち込むということをしました。
厳密な安全性の検査などを経て、この研究者たちは約7年かかってようやくウイルス耐性パパイヤは実用化にこぎつけます。そうしてハワイのパパイヤ産業はウイルスの被害を乗り越えることができたのです。

日本でも2年程前から、このパパイヤは「レインボーパパイヤ」という名で販売されています。もちろん、人体への安全性や自然環境への影響といったことについてはしっかりと検査をされています。もしスーパーなどで見かけることがあれば、一度手に取ってみてはいかがでしょうか?