News/ニュース

  • 放射線で品種改良を

    今回は植物の放射線育種についてご紹介します。

    放射線育種とは、植物に放射線(x線、γ線、電子線、イオンビームなど)を照射することにより、遺伝子を1つか2つ壊すことで突然変異を起こし、形質が様々に変化した突然変異帯の中から有用な形質を持つものを選抜する品種改良法です。

    植物で人為突然変異を誘発した最初の成功例は、1928年に米国ミズーリ大学のStadler博士が、トウモロコシやコムギの発芽種子にX線を照射した実験であるといわれています。

    品種改良の方法として、遺伝子組換えというものがありますが、放射線育種はこれとは全く別の技術です。
    遺伝子組換え技術が、対象の植物に本来存在しない遺伝子を導入することで新しい品種を作るのに対し、放射線育種は植物が本来持っている遺伝子を壊すことにより変異を促すのです。簡単にいうと、遺伝子組換えが遺伝子をプラスするのに対し、放射線育種は遺伝子をマイナスさせるものなのです。

    この技術の利用例として病気に強い果物を作るという試みが昔からなされています。
    「二十世紀梨」は非常に良い品質を持ち、青ナシの主要品種として栽培されてきました。しかし、ナシ黒斑病という病気にかかりやすく、それを防ぐために多大な労力が払われてきました。そこで、γ線の照射により突然変異体を得る実験が行われました。その結果、黒斑病への抵抗性を持つ以外は二十世紀梨とほぼ同じ性質を持つ梨を生み出すことに成功しました。
    この梨は「ゴールド二十世紀」と名付けられ現在も販売されています。

    この他にも様々な場面で放射線を利用した技術が活躍しているので、またの機会にご紹介します。

  • トウモロコシ「玉蜀黍」なんて読む?

    米、小麦とならんで、世界三大穀物とされているトウモロコシ
    最近では、再生可能エネルギーであるバイオエタノールの原料としても注目をあつめています。

    輸入が大半といわれていますが、日本国内でも生産されています。
    生産量一位は、北海道。基本的には広大な土地で集約的に栽培されます。
    実際に、世界の生産国は上から順にアメリカ、中国、ブラジルとなっています。また、このうちアメリカはおよそ4割も生産しています。

    「玉蜀黍」

    玉蜀黍、実はこれが「トウモロコシ」の名前の正式な字です。この字があてがわれるまでには、ちょっとしたドラマがありました。

    まずは、「モロコシ」について。

    中国にはもともと「モロコシ」という、「トウモロコシ」とは別の、植物がありました。その後1579年、ポルトガル人により日本に持ち込まれた今の「トウモロコシ」が、この中国からやってきた「モロコシ」によく似ているキビ(黍)だということで、「モロコシキビ(唐黍)」などと呼ばれるようになります。

    続いて、「トウ」について。ここから少々ややこしくなってきますが、しばしお付き合い下さい。
    これは単純に唐(=中国)から来た、というだけではありません。その「モロコシキビ」が持ち込まれた当時、日本では新しく入ってきたものに「唐」という字をつける習慣がありました。そうすると、どういう事が起こるでしょうか。

    字を並べてみると、「唐」+「モロコシキビ(唐黍)」=「唐唐黍」となってしまうのです。これではおかしいということで、「唐」を一つだけ三国時代の一国「蜀」の字に変え、「唐蜀黍」と書くアイデアが出されました。しかしいずれにせよ、国の名前が2つ連続してしまうので不自然です。

    このような紆余曲折があり、悩んだ末に発案されたのが、「玉蜀黍」という字でした。これは「玉」のような粒を持つモロコシキビ(蜀黍)という意味が込められています。正式な色のひとつに「玉蜀黍色」というものがありますが、これは「トウモロコシの実のような赤みがかった鮮やかな黄色」のことを指します。日本の伝統色とされており、この漢字と色との対応にも趣きを感じます。

    さまざまなニックネーム

    トウモロコシの面白さは、漢字の由来だけではありません。なんと呼び名が200種類以上もあるのです。
    全部は挙げきれませんが、そのうちいくつかをご紹介します。

    • きび 北海道札幌市、長野県南部、鳥取県、高知県など
    • とうみぎ 宮城県、福島県、栃木県、茨城県など
    • とうまめ 新潟県上越地方、長野県の一部など
    • こうらい 岐阜県の一部、福井県の一部、三重県の一部、滋賀県の一部
    • なんばん 愛知県東部、京都府北部、山口県東部など
    • とうとこ 島根県北部など
    • さんかく 熊本県の一部
    • まごじょ 宮崎県の一部
    • うらんだふいん 沖縄県竹富島
    • やまととーんちん 沖縄県首里

    このように、地域によってまったく名前が異なっています。どうしてその土地では、その呼ばれ方をするのか?これらの由来を一つ一つ紐解いてみると、また興味深い発見があるかも知れません。

  • 「畑の肉」:大豆

    いまや日本の食卓には欠かせない大豆。調べてみればあの食品にも、この食品にも大豆が用いられているのだなと驚く方も多いでしょう。後ほど、大豆から生まれた食品を紹介します。
    さて、そんな大豆を国内で最も多く生産しているのは北海道。そこに宮城、佐賀、福岡、秋田が続きます。全国で広く栽培されていることが分かります。
    世界に目を向けると、生産量No.1はアメリカ。世界全体の生産量の3分の1以上がこの国で作られます。

    「畑の肉」はドイツ生まれ

    大豆は「畑の肉」とも呼ばれます。このネーミング、実は日本生まれではありません。
    始まりは明治時代の初頭。1873年のウィーン万博で日本は自国の産品として、当時まだ注目されていなかった大豆を出品しました。この大豆の成分を調べたドイツの学者は、肉に勝るとも劣らない高いタンパク質含有量を絶賛。さっそく自分の国での栽培に着手します。そしてこの時、大豆栽培を促進するためのキャッチフレーズとして用いられたのが、「大豆は畑の肉」でした。ただしこの試み自体は、ヨーロッパの土壌が大豆に合わず失敗に終わったという後日談付き。
    しかし、これを機に「畑の肉」というネーミング、そして大豆の優れた栄養価が広く認知されるようになったことはたしかです。

    日本食との切っても切れない関係

    大豆を原料とする食品は実に多様。具体例とその作られ方をいくつか挙げていきます。

    • 醤油
      大豆と小麦を混ぜあわせたものに麹をくわえて発酵し、出来た「もろみ」を絞って出てくるものが醤油。日本を代表する調味料です。
    • みそ
      蒸した大豆をつぶして、塩と麹と混ぜ合わせて発酵させたもの。赤味噌、白味噌など種類も多く、和食のお味付けの幅を広げてくれる、万能調味料といえるでしょう。
    • 枝豆
      大豆を若くて青いうちに収穫したもの。お酒のおつまみとして非常に愛されています。

    これ以外にも納豆、豆腐、ゆば、油揚げ、おから、きな粉と、ここでは紹介しきれないほど多岐にわたって私たちの食卓を支えてくれています。意識してみると、実は様々な場面で大豆に出会っていたのだなと実感できますね。

  • サイト表示不具合のお詫び

    2013年4月24日20時頃から、株式会社 青山ファーム Webサイト http://aoyamafarm.co.jp/ の表示が崩れることがありました。2013年4月25日未明現在も一部ページで不具合が出ております。お客様におかれましては、大変ご迷惑をおかけいたしますことをお詫び申し上げます。
    なお、復旧に関しては、本サイトにてお知らせいたします。

  • いいキュウリにはトゲがある

    キュウリは様々なサラダで使われており、わたしたちにとってポピュラーな野菜の一つ。あのシャキッとしたみずみずしさが人気の理由です。国内では宮崎、群馬、福島、埼玉、千葉の順に生産量が多くなっています。主に消費の多い都市の近郊で栽培されていることが分かります。
    温かい気候を好むためにもともとは夏の野菜でしたが、ハウス栽培が発達してからは秋〜初春にかけても収穫できるようになりました。

    新鮮なキュウリはイボイボに注目

    より新鮮なキュウリを選ぶとっておきの方法があります。イボイボに注目してみて下さい。
    あのイボイボは、実はキュウリの「トゲ」です。キュウリは実が小さいうちに鳥などに食べられないようトゲが生えています。そして実が成熟するにつれてそのトゲがイボイボに変わっていくのです。すなわち、イボイボの部分がチクチクするくらい尖っているものほど若々しく新鮮である証拠です。よく似たことわざがある気がしますが、いいキュウリには「トゲ」があると覚えてみてはいかがでしょう。

    ギネス級の水分

    キュウリはなんと90%が水分。このことは「世界一カロリーの低い野菜」としてあのギネス世界記録にも認定されています。
    また、この水分の多さは、夏場には火照った体内を冷やしてくれる野菜として役立ってくれます。このキュウリの冷たいイメージを用いて、英語では「as cool as a cucumber(キュウリのようにクール)」という表現があります。もっとも、このクールのニュアンスは「温度が冷たい」というよりは「冷静で、落ち着き払っている」というものだそうです。あらためて見てみると、確かにクールな面持ちをしているようにも思えて面白いですね。

    キュウリの出てくる映画

    最後に、観ていると思わずキュウリを食べたくなる映画を紹介します。ジブリ映画「となりのトトロ」です。田舎のおばあちゃんの農家で、収穫したてのキュウリをサツキとメイが丸かじりをするシーンが、なんとも美味しそうなのです。初めて観たのは幼い頃でしたが、この時に「野菜っていいな」と漠然と感じた記憶があります。まだ少し先ですが、夏につめたく冷やしたキュウリを食べるのが楽しみになってきました。

    キュウリ – wikipedia

  • インターンシップ募集開始しました

    現在、弊社では、「ご近所マルシェ探すなら あおぞらファーム」を開発しております。本サービスの開発にあたり、主に技術、デザインの業務をお手伝いいただける方々を募集しております。弊社インターンシップでは、勤務地、開始日、終了日、勤務時間等、相談可能です。
    詳しくは、下記採用ページをご覧ください。

    Recruitment Imformation – Technical internships on Aoyama 2014 –

  • 「ご近所マルシェ探すなら あおぞらファーム」で実現したいこと

    2013年4月に告知させていただいた弊社新サービス「ご近所マルシェ探すなら あおぞらファーム」について、本日はご説明します。

    解決したい問題「食の選択肢を増やしたい」

    私たちは、たくさんの生産者の皆さんがたくさんのご努力をされ、素晴らしい農作物を生産されていることを知っています。新しい農業技術だけではなく、古来から伝わる伝統的な農法を守っている方々もいらっしゃいます。ときおりメディアで登場するこれらの情報は、手が届きそうで、届かない、それが現状です。購入したい、と思っても、なかなか近隣のストアなどでは、購入が難しいのが現実です。

    ソリューション「マルシェの集客/告知をお手伝いする」

    この問題に取り組もうとした当初、弊社代表の田中秀樹は、「自身で就農(農業を生業とする事)をしよう」と考えました。東京、千葉、北海道、沖縄、、、いろいろな自治体や、農業関係団体に電話をかけ、訪問もしましたが、多くの課題があり、それを解決したとしても、当初の問題「食の選択肢を増やす」ことができるのか、不明瞭に感じたようです。

    次に田中は、「商流、物流をあらたに作り出すこと」を考えました。そこで、全国を調べてみると、ネットで商流・物流を行っている業者様だけではなく、直売所や、不定期で小さく開催されているファーマーズマーケット、マルシェが多数あることを知りました。そうです、すでに多くの人々が取り組んでいらっしゃったのです。

    「まったく知らなかった」

    田中は、自分が「なんとなく知っているつもり」になっていたことを痛感します。マルシェの告知、集客をお手伝いすれば、消費者は選択肢が広がり、生産者は努力が報われることになり、「食の選択肢が増え」、日本中の人々が、みな幸せになれるのではないか、田中はそう考えました。

    今を生かしつつソーシャルを持ち込もう

    インターネットの世界では、ソーシャルが登場し、変革がはじまっていました。twitter、facebook等あらゆるものが、変化をはじめていました。田中は、その流れをそのまま食に持ち込めば、変革が自然に起こると考えました。一方で、急速すぎる変革は、これまでの構造を壊しかねません。田中は、思案をし、ひとつの結論に達します。それが、「ご近所マルシェ探すなら あおぞらファーム」でした。その名の通り、このサービスは、

    • マルシェ主催者が、自ら情報を発信し
    • その情報が集約され、
    • マルシェ参加者が、比較、検討し、
    • ご近所マルシェが探せるようになる

    ことがゴールです。ソーシャルを緩やかに、インターネットを緩やかに、今の農業を、今の生活スタイルを生かしつつ、次代につなぎたい、それが、田中の結論だったのです。

    開発もソーシャルで

    当社の開発スタイルは、多くの方に支えられて成り立っています。これは、田中の考える「ソーシャルを開発にも」という理想に基づくものです。解決すべき懸案事項が無いといれば嘘になります。しかし、それを日々、ひとつずつ解決しています。「ご近所マルシェ探すなら あおぞらファーム」公開の日も近づいています。

    「ご近所マルシェ探すなら あおぞらファーム」は、今、事前登録が可能です。ご興味がある方は,是非事前登録をお願いいたします。

    ご期待ください。

  • うまいべ!いわき

    震災の傷跡は、今も深く残っています。しかし東北3県の皆さんは、笑顔で努力を続けていらっしゃいます。本日は、福島県いわき市の活動である「うまいべ!いわき」をご紹介します。

    がんばっぺ!いわき

    いわき市では「がんばっぺ!いわき」のキャッチフレーズのもと、さまざまな復興活動を行っています。官民共同での活動となりますが、フラガール等をご覧になった方も多いかと思います。フラガールは、常磐興産という企業が運営するスパリゾートハワイアンズというテーマパークを中心に活動をする、ハワイアンフラダンスチームです。映画「フラガール」で有名になりましたね。

    うまいべ!いわき

    「がんばっぺ!いわき」の活動のうち、農林漁業や食の情報について、発信するWebサイトが、うまいべ!いわきです。皆さんが心配されているモニタリングポストの情報や、名産品の情報、直売所の情報まで、いわきでの食について、幅広い情報が掲載されています。

    ゴールデンウィークに東北3県に行かれる方は、一度チェックされるのはどうでしょうか?

    うまいべ!いわき

  • ソーシャルでの開発

    本日は、少し趣向を変えて、当社が挑戦しようとしているソーシャルとしてのサービス開発についてお話しします。

    オープンソースの次の形としてのソーシャル

    Linux、Free BSD、Apache、Tomcat、PHP、MySQL等あらゆるものが、オープンソースという文化、スタイルを基礎として開発されてきました。私たちは、このオープンソースの文化が成長し、ソーシャルネットワークになったと考えています。株式会社 青山ファームでも、オープンソースや、ソーシャルネットワークのメリットを享受しています。もしも、ソーシャルが無かったら、青山ファームは存在すらしていません。

    ソーシャルは未来ではなく、現在進行形のお話なのです。

    開発の新しい形、オープン、シェア、ソーシャル

    Github、herokuを始めとした開発ツールや、サービスは、単にソースコードを共有したり、Paasの機能を提供するだけではありません。ロケーションが離れた複数の人々が、ひとつの目的のために集まり、開発を進めることができる機能を有しています。キーワードは、

    • オープン
    • シェア
    • ソーシャル

    です。上下なく、パブリックに、社会性を持ち、開発を進めることができると考えています。この開発スタイルは、開発チームが、元気に長く楽しく働くことができる仕組みです。私たちは、青山ファームという法人格を種として、開発の新しい形に取り組んで参ります。

    文字数の制限もありますので、具体的なアクションをここでお伝えすることには限界があります。是非、私たちの代表である田中秀樹に連絡をとってみてください。私たちの挑戦を、夢を、田中秀樹から直接お聞きください。田中秀樹が、青山ファームの活動開始直前の2013年3月30日に、ひとりで作成した「Call for “Nakama”」というビデオです。私たちのNakamaに是非なっていただければと思います。

    http://youtu.be/4gRlfv7yahQ

  • スタミナの出るひみつ:にんにく

    「スタミナをつけたい」。
    そんな時に思い浮かぶ野菜といえば、にんにくではないでしょうか?にんにくはユリ科ネギ属、強い香りが特徴の野菜です。

    生産量日本一は青森県。国内で出回っているにんにくの80%をたった1県で作っています。では、世界一はどこの国でしょうか。正解は・・・アジアのお隣り・中国です。世界の生産量のじつに8割を占めています。

    スタミナの秘密

    そんなにんにくの、スタミナアップ効果のカギをにぎっているのは「アリシン」という成分です。にんにくには、体の疲労を回復してくれるビタミンB1がほかの野菜に比べても豊富に含まれています。
    ところが困ったことに、このビタミンB1は体内に吸収されづらいのです。

    そこで先ほど登場した、アリシンの出番です。ビタミンB1とアリシンとは結合しやすく、この2つがくっついた状態ではビタミンB1の体内吸収率は10倍にもなると言います。このためビタミンB1の疲労回復効果がよく働き、体力増強につながるのです。

    ピラミッドとにんにく

    スタミナアップ効果を持つにんにくは、古くから重宝されてきたようです。
    たとえば紀元前の古代エジプトでは、ピラミッド建設という過酷な重労働に従事する労働者たちに、王様がにんにくを食べさせていたという記録があります。
    またかつて最強とうたわれたローマ軍兵士たちも、駐屯地でにんにくを栽培していたと言われています。
    今も昔も変わらず滋養強壮のシンボルであり続けているのだなと思うと、にんにくの姿がどこかたくましく見えてきます。

    気になるニオイを消す方法

    私たちにパワーをくれるにんにくですが、心配なのはやはりその強い臭い。
    ニオイを予防する方法を2つご紹介します。

    1. 加熱する
      もっとも口臭が強くなってしまうのは生の状態で食べることです。したがって、食べる前に熱をくわえて調理することである程度臭いをおさえることができます。皮付きの状態で1分ほど電子レンジで温めるというテクニックもあるようです。
    2. 口臭をふせぐ飲み物
      にんにくを食べる前にリンゴジュース、緑茶、牛乳、コーヒーなどを飲んでおくのがおすすめです。これらには食材の臭みを和らげる効果や、消臭効果を持つ成分が含まれています。

    最近では品種改良などにより、成分や栄養価はほとんど通常のものと変わらない、無臭にんにくも多く流通しています。お出掛けを控えているけれど、料理に使いたいという場合にはこちらを選ぶのも良いかも知れませんね。