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根が下に伸びるのは

『根っこはどうして下に伸びるの?』という質問に回答できる方は、いらっしゃいますでしょうか?この問題は、簡単な科学で説明がつくそうです。

答えは簡単、だけど難しい

答えはとても簡単で「重力を感じているから」となります。しかし、難しいのは、「植物はどうやって重力を感じているのか?」なのです。ここで登場するのが、”オーキシン”という植物ホルモンです。植物ホルモンとは、植物のある部分でつくられ、からだの他の部分に運ばれて、ごくわずかの量で植物の成長や反応を調整する物質のことを言います。
数ある植物ホルモンの中で、オーキシンは「植物の成長を促進する」働きがあります。

重力の方向に移動

オーキシンは、重力の方向に移動するという性質を持っています。この性質によって、オーキシンは根の先端方向に運ばれ、結果的に下へ下へと根を成長させていくのです。当然のように見えますが、ここで、もう1つ質問を考えてみてください。「なぜ茎や葉は重力に逆らって太陽の方向へ伸びていくのでしょうか?」実はこの鍵もオーキシンが握っています。

光を避けて移動

オーキシンのもうひとつの特徴が、光を避けて移動する、というものです。根が下に伸びるのは、オーキシンが重力方向に移動するためで納得がいきますが、これでは茎や葉も下へ伸びてしまうことになってしまいます。その疑問を解く鍵が、この光を避けて移動するという特徴なのです。

確かにオーキシンは植物の成長を促進しますが、その働きには「最適濃度」というものがあります。そしてその最適濃度は植物の部位によって違います。具体的には 根>葉・茎 です。光を避けてオーキシンが茎や葉の下の方に溜まってくると、その濃度が最適濃度を越えてしまい、逆に成長を阻害してしまうのです。まさに「薬も過ぎれば毒となる”Too much wax burns the church.”」なのです。

根の方で成長が阻害されると、相対的に上側がよく成長し、上へ上へ光の方へ伸びて行くのです。すなわち、先にしっかりと根が土の中に向けて成長し、そのあと芽を出し、植物全体として成長していくというシステムがオーキシン等の化学物質で実現されているということになるのです。植物体内で起きた化学反応が、人間からは植物の生長に見えるのです。

植物の仕組みがわかると「宇宙で植物を育てるとどうなるかな?」等も楽しくなってきます。是非考えてみてください。