クルミやユーカリの木の下には他の植物が生えにくいことが知られています。これは植物が持つ「アレロパシー作用」というものが原因とされています。
アレロパシー作用は「他感作用」とも呼ばれ、定義としては、「植物から放出される化学物質が、他の植物や微生物・昆虫に対して阻害的あるいは促進的な何らかの作用を及ぼす現象」とされています。
他に有名な例としては、帰化植物の代表であるセイタカアワダチソウがあります。セイタカアワダチソウはポリアセチレンという物質を出し、他の植物の生育を抑えながら勢力を拡大していきますが、茂りすぎると自分が出した毒素により自らやられてしまいます。これを「自家中毒」といい、同じ作物を毎年栽培すると収穫が悪くなる「忌地現象」の原因の1つでもあります。
オーストラリアに生息するシルキーオークという木もアレロパシー作用を持っており、自家中毒により一定の範囲内では自分の子孫すらも生育することができません。
アレロパシーの研究は現在も続けられており、農薬を使わずに植物のちからで除草する技術などが期待されています。