カテゴリー: Blog

  • トウガラシと二日酔い

    いよいよゴールデンウィークも後半に入りました。連休中の楽しみのうちの一つが、ご家族やご友人、会社の同僚とのお酒、という方もいらっしゃるのではないでしょうか。なかには2日、3日続けて飲まれる方もいらっしゃるかもしれません。
    本日は、そんな皆さまに青山ファームから耳寄り情報をお届けします。

    二日酔いに効果抜群、トウガラシ

    連休スタート、少々羽目を外して飲み過ぎてしまった・・・厄介なのは、やはり二日酔いです。頭痛がする、体がだるい、関節が痛い等々、症状は様々です。これらを予防するには、「トウガラシ」がとても効果があることが知られています。

    二日酔いの原因は、アルコールに含まれるアセトアルデヒド。これを分解しきれない時、二日酔いの症状が現れます。トウガラシは、そのアセトアルデヒドを分解する成分「ナイアシン」がとても豊富なのです。

    お酒を飲んでいると、このナイアシンはどんどん消費されていきます。そのため、飲酒時にナイアシンを多く含むトウガラシの使われた料理を積極的に取り入れてみましょう。

    トウガラシ以外にもある「効く」食品

    トウガラシ以外にも、心強い食品をご紹介いたします。
    マグロ、カツオ、牛や豚のレバー、エリンギなどが、ナイアシン含有量が特に多くなっています。その他、落花生や卵にも含まれています。

    トウガラシで安心してゴールデンウィークの楽しいお酒をたしなめたらいいですね。

  • 「こだわる」農家の直売所 道の駅 やちよ

    5月に入り寒さも和らぎ、少し遠出をして、道の駅にお買い物、という方も多いかもしれません。本日ご紹介するのは、千葉県八千代市にある 道の駅 やちよ・八千代ふるさとステーションにある野菜産直販売所です。

    道の駅やちよ農産物直売所クラフト
    276-0015 千葉県八千代市米本4905-1
    道の駅 やちよ

    田んぼのど真ん中

    お店に入ると、大きなオブジェが目を引きます。実は、この道の駅、平成5年3月に八千代市が策定した「やちよふれあい農業の郷」構想に基づく施設です。新しい都市農業の創造を象徴するのがこのオブジェです。
    道の駅 やちよ

    八千代市が主導して、立ち上げた道の駅 やちよでしたが、順風満帆ではありません。道の駅 やちよの立地は、国道16号線沿いの田んぼのど真ん中。設立から17年たった今でも、田んぼに囲まれている立地です。

    Google Map Snapshot

    商売は、立地7割と言われることもあり、多くの方が「田んぼのど真ん中」に不安を感じていました。そのためなかなか販売をする組織が形成できないという状況に陥っていました。ようやく集まった個人9名、法人1社で、わずか50万円ずつ出し合い、オープンまでこぎ着けました。

    オープンからいきなり長蛇の列

    平成9年7月にオープンした道の駅 やちよですが、予想とは裏腹にオープン初日から長蛇の列になります。国道16号線にまではみ出した車の列は、2車線の国道が渋滞してしまうほどでした。筆者もこのオープンの際に、渋滞に巻き込まれた一人ですが、本当にすごい列になっていました。

    オープン後も、お客様が押し寄せ、あれよあれよという間に、オープン初年度(平成9年7月〜翌年3月末)で、3億5千万円という売上げになったのです。

    取材にいった平日午前中という時間帯でも、お店の中は、人でごった返し、我先にと野菜を手に取る方々多くいました。

    道の駅 やちよ

    こだわりが長蛇の列を作る

    道の駅 やちよを運営する クラフトの方にお話をお伺いすると、そのこだわりが筋金入りだということを感じます。

    • 特定の農家だけを持ち上げない
    • 自分たちがつくったものを自分たちで売る
    • 農家の利益を最大限に考える
    • 農家同士競争する
    • スーパー等のインショップには入らず、道の駅の1店舗だけで勝負する
    • 価格は、市価よりも安く

    農家の利益最大化と、競争、そして安価という、すべてのこだわりを有言実行で進めていることが印象的でした。

    トマト、キュウリ、コメ

    今の季節で、おすすめをおききすると、真っ先に出てきたのがトマト。売り場には、箱に入った大粒のトマトが、所狭しと並んでいます。

    道の駅 やちよ

    道の駅 やちよ

    お見事!というほど、大きな粒のトマトは、まるで宝石のような輝きでした。おいしいトマトの見分け方をお聞きすると、「スジ」というお答え。スジが入っているトマトが、一番美味しいのだそうです。

    次におすすめされたのが、キュウリです。キュウリは、以前もこのブログで、「トゲ」があるものが美味しいということを紹介しましたが、お伺いしてみると、

    キュウリは、成長が早くすぐに普通に「ウリ」になっちゃう。新鮮なものがそろっている市場なら、トゲを気にしなくても美味しい。

    とのことでした。曲がったキュウリも、まっすぐなキュウリも一緒に袋に詰めて販売されている農家が多いようで、一袋5本入れているキュウリが一番売れるそうです。

    道の駅 やちよ

    最後に案内していただいたのが、お米です。千葉県でよくみかけるのは、ミルキークイーン、ふさこがね、ふさおとめ、コシヒカリ等の品種です。道の駅 やちよでも、コシヒカリは多く陳列されていました。しかし、お店の方にお伺いすると、

    実は、一番のおすすめは、少し遅め(10月頃)に出てくるあきたこまち等のブランド米が、安くてうまい

    そうです。この日も、ひとめぼれが、入荷されており、とてもリーズナブルに購入できました。

    道の駅 やちよ

    道の駅 やちよでは、とにかく売り場の人も、お客さんも元気。それが印象に残ります。取材で、お話を聞いている間にも、店員さん、お客さんとも、元気一杯で、お買い物をされていました。取材している私も元気をもらってきたような気持ちになりました。

    ゴールデンウィーク後半は、道の駅 やちよに遊びに行かれてはどうでしょうか?

    道の駅 やちよ

    道の駅 やちよ

    道の駅やちよ農産物直売所クラフト
    276-0015 千葉県八千代市米本4905-1


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  • アスパラガスの三角形の正体

    アスパラガスは春の味覚として親しまれています。名前の語源は、ギリシャ語で「たくさん分かれる」という意味の「アスパラゴス」で、新芽のことを指していると言われます。
    日本では江戸時代に観賞用としてオランダから伝わりました。食用になったのは明治期以降ですが、一般的に食卓にのぼるようになったのは昭和になってからと、つい最近のことです。国内での収穫量は北海道で最も多くなっており、長野県、佐賀県と続いています。

    茎に付いている三角形は「葉っぱ」

    アスパラガスの茎をよく見てみると、三角形の鱗のようなものが付いています。実はこれがアスパラガスの「葉っぱ」なのです。
    面白いことにこの葉っぱは「光合成をしない葉っぱ」です。葉っぱが光合成しないでどうやって成長するのでしょうか?なんと、茎が光合成をします。
    太い茎の側面から小さな茎の芽がいくつも生え出し、その芽が成長し葉っぱのように生い茂り、光合成をしてくれます。あくまでも茎なのですが、見た目はまるで葉っぱなので「擬葉」と呼ばれます。
    本当の葉っぱである三角形の部分は、春がくる前の寒い時期にその茎の芽にぴったりとくっついて、芽を守っているのです。こう考えると、アスパラガスの先端に三角形が集まっている理由も分かってきます。いちばん最初に寒い空気に触れることになる先端を、葉っぱが何層も重なって守ろうとした結果なのです。

    おいしいアスパラガスの見分け方

    先日都内のマルシェで、生産者の方から、この「三角形」を使って良いアスパラガスを見分ける、とっておきの方法を教えて頂きました。それは「三角形と三角形の間隔が広いものを選ぶ」ということです。三角形の葉っぱの間隔が広いということは、土からの養分を吸い上げグングンと成長したことの証なのだそうです。興味深いお話で聞き入ってしまいました。新鮮な野菜が手に入ることもさることながら、こうして作り手の方から野菜の話をじかに聞けるのも、マルシェの醍醐味だなとあらためて感じました。
    おいしいアスパラの選び方としては他にも「茎が太くまっすぐ伸びていて、穂先にはりがあるもの」というものもあります。次にアスパラガスを買うときには、これらを思い出して少し観察してみると、良いものが選べるかもしれませんね。

  • 日本一美味しいサクランボ「佐藤錦」

    山形県は日本一のサクランボの産地です。国内出荷量の7割を生産しています。
    その山形産さくらんぼの中でも8割を占める(つまり全国出荷量の50%以上を占める)のが、「佐藤錦(さとうにしき)」です。
    ツヤ、ハリ、色、甘さ、ジューシーさ。どれをとっても最高品種と言われます。またその美しい見た目から「赤いルビー」とも呼ばれます。生産量、知名度ともに日本を代表する品種であり、お祝いごとの贈り物としても非常に人気があります。

    甘くて丈夫な佐藤錦が出来るまで

    佐藤錦は山形県東根市の佐藤栄助氏が作り出した品種です。もとはしょうゆや味噌づくりを家業とし、その傍らで趣味として果樹栽培を行なっていた栄助氏でしたが、父の死や事業での失敗を機に、本格的に果樹栽培をはじめます。

    栄助氏が品種改良に乗り出した1910年代、2つの課題がありました。ひとつは雨による実割れです。これはサクランボの収穫期が、ちょうど梅雨の時期に重なるからです。もうひとつは長距離輸送による質の低下です。当時はまだ輸送方法が未発達だったため、鉄道による長距離輸送を使わざるをえませんでした。彼はこれらを解決するために、梅雨に重なる前に「早く実り」かつ長距離輸送に耐える「実の固い」「甘い」サクランボを作ろうと考えたのです。

    目をつけたのは、実は丈夫でも実りの遅いナポレオンと、実りは早く甘いけれど実は柔らかい黄玉。そこで、それぞれの長所のみを生かす交配手法を編み出しました。こうして実った粒は見事に、ナポレオンのように実が固く、黄玉のように甘いものとなりまし。また収穫時期も従来のナポレオンの収穫時期よりも1週間ほど早くなったのです。
    その後、優秀な種として全国へと普及し、今ではサクランボの王様としてのブランドを確立しています。

    ネットで新鮮なサクランボをお取り寄せ

    佐藤錦が販売されているのは主に大手百貨店や高級果物店などです。他にお買い求めになる方法として、今では各地のサクランボ農家からネット注文でお取り寄せができるようになっています。なお今の時期は、6月の収穫時期を前に予約受付を行なっている農家も多いようです。収穫したてのものが届くので、産地直送ならではの新鮮さも楽しめそうです。今年の旬の時期に、ぜひ一度味わってみたいものです。

  • 天使のしふぉん事業を進めています

    株式会社 青山ファームでは、食品製造販売事業を立ち上げています。これまで社内で小さく立ち上げ、レシピの開発、商標登録、試験提供の開始等を進めて参りました。近日中に、「青山 天使のしふぉん」という名称でネット販売から開始いたします。当面は、一日の生産量が少なく、売り切れの日も多くなるかと思いますが、日々改善をしつつ皆様によろこんでいただける「青山 天使のしふぉん」を提供いたします。

    お楽しみに。

    2013年12月 追記 「青山 天使のしふぉん」は、大変ご好評をいただいたため独立したECサイトをとなりました。

    これまで私たちが丹誠込めて作り上げた ふわふわの シフォンケーキをご賞味ください。

    青山 天使のしふぉん | ふわふわ シフォンケーキ
    URL: http://angelschiffon.com/

  • 放射線で害虫と戦う

    先週ご紹介した「放射線で品種改良」に引き続き、農業における放射線の利用についてご紹介します。

    帰化生物

    帰化生物とは、海外から風、渡り鳥、船などによって持ち込まれた生物が野生化し定着したものです。動物では、ゴキブリやアメリカザリガニ、植物ではセイタカアワダチソウやセイヨウタンポポなどが良く知られています。

    日本に定着した帰化生物の中には、在来種の絶滅等自然に対して悪影響を及ぼすものがあります。そして、それらの駆除、根絶は簡単ではありません。あまりに分布が広がっていたり、他の種にまで影響を与えてしまう可能性があるからです。

    帰化生物と放射線

    帰化生物の根絶に放射線が活躍した例があります。東南アジア原産のウリミバエとの戦いです。ウリミバエは南西諸島で繁殖し、多種の作物の果実に卵を産み、幼虫が実を食い荒らしていました。このウリミバエを根絶するため、放射線が利用されたのです。
    まず最初に、人工飼育した雄のさなぎに放射線を照射して、生殖能力の無い個体を作ります。この「不妊化」の後、さらに羽化した成虫を自然に放しました。不妊化した雄と交尾した雌の卵はかえりません。しかもウリミバエは一度しか交尾しないため、世代が交代するごとにその数は減り、最終的に根絶することに成功しました。

    放射線による不妊化は、予期しない他の変異を引き起こしてしまうリスクや放射線耐性を持つ生物の発生などのリスクを無視することはできませんが、適切な計画の下、様々な国で利用され農業の安定に役立っています。

  • 台湾素食を食べるなら

    台湾素食は、台湾版ベジタリアン料理です。発音は、タイワンスーシーと言います。

    10%がベジタリアン

    台湾では、10%がベジタリアンだと言われています。もともとは、宗教的な理由から、野菜中心で精進料理を作ったことに由来するようですが、現在では、健康志向の一般の方が野菜中心の食生活を選択されているそうです。
    以下は、台湾素食で避けられている食材の一覧です。面白いのは、肉だけではなくニンニク、ニラ等も食さないことです。

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    大分類 中分類 概要
    三厭 天厭 空を飛ぶ鳥・鶏など
    地厭 地を這う牛・豚など
    水厭 水中の魚介類
    五葷 ネギ、ニラ、ニンニク、ラッキョウ、タマネギ
    *台湾素食の場合、動物由来の油、卵、乳製品も一切使わないことが一般的

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    庶民の食べ物 台湾素食

    日本では、野菜中心のレストランというと、高級なイメージがありますが、台湾では庶民の食べ物としても広くしられています。特に台湾素食のビュッフェ形式のレストランは、広く普及しています。

    またお肉や、お魚のフェイク料理とも言うべき、素肉や素魚は、すべて野菜で出来ています。主には、大豆などで作られているようですが、言われなければわからないほどの出来の良さです。こんな台湾素食のお店は、台湾では簡単に見つけることができます。卍のマークが書かれたお店は、台湾素食のお店です。台湾に行かれる方は、是非チェックしてみてください。

    東京で食べるなら

    台湾素食のお店は,日本にはあまり多くありません。東京六本木にある「健福」さんは、数少ないお店の一つです。

    [accordion]
    [accordion_toggle title=”健福”]
    台湾料理、自然食
    03-6438-9128
    東京都港区西麻布3-1-22 SAI BUILDING  4F
    [/accordion_toggle]
    [/accordion]

    ランチでは950円から、ディナーでも900円程度から、台湾素食を楽しむことができます。

    DSC_1805

    スタッフの方のおすすめは、タラ風野菜あんかけで、見た目も食感も、タラそのものでした。

    DSC_1810

    ランチタイムの定食は、4種類ほど用意されており、デザートの杏仁豆腐までついています。こちらの定食は、鶏肉風とカシューナッツ炒めです。こちらもまさに鶏肉、普通に食事が出来てしまいます。

    DSC_1814

    ご飯は、白米と玄米から選ぶことができます。産地は、千葉県で、特別に契約した農家の方がおつくりになっているお米だそうです。炊き方は、圧力鍋だそうで、玄米にも関わらず、もっちりと炊き上げられていました。

    DSC_1818

    他にも、酢豚が人気メニューだそうで、台湾素食のお店であることを忘れてしまうほど、酢豚そのものです。

    DSC_1820

    私のおすすめは、麻婆豆腐です。ひき肉風のお肉がとてもよいアクセントになって、しっかり麻婆豆腐の味を楽しませてくれました。

    DSC_1831

    ランチタイムでも、電話で予約が可能でゆったりと台湾素食を楽しむことができます。ついつい食べ過ぎてしまいがちなゴールデンウィークには、おすすめのお店です。

    DSC_1839

    [accordion]
    [accordion_toggle title=”健福”]
    台湾料理、自然食
    03-6438-9128
    東京都港区西麻布3-1-22 SAI BUILDING  4F
    [/accordion_toggle]
    [/accordion]

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  • ご応募ありがとうございました

    「ご近所マルシェ探すなら あおぞらファーム」事前登録を終了いたしました。ご応募いただきました皆様には大変感謝しております。サービスは近日中にαテストを開始いたします。公開まで、今しばらくお待ちください。

    大変ありがとうございました。

  • イバラキングは、生産量No1の証

    茨城県は、メロン生産量日本一です。ハウスを使った、促成栽培、半促成栽培と、春のアンデスメロン、秋のアールスメ論と、ほぼ通年といってもよい出荷が実現されています。

    イバラキング

    イバラキングは、2008年に登場した茨城県のオリジナル新品種です。茨城の半促成栽培は、多くが無加温であるため、ときおり寒さや天候不順の影響を受けることがありました。茨城県農業総合センターが中心となり、研究を重ね、寒さの影響が最も懸念される4月〜5月に収穫でき、果実肥大性、糖度、品質等品種改良されたメロンが、「イバラキング」なのです。

    イバラキングを購入したい!

    ちょうど今の時期は、イバラキングの出荷がはじまっているようです。以下のサイトなどでは、直販もされているようですし、ファーマーズマーケットでの販売イベントも開催されているようです。

    ファーマーズマーケット なだろう

    http://www.nadarou.com/

    http://www.nadarou.com/melon_ibaraking.html

    このサイトでは、メロンカレー、メロン羊羹、メロンキャラメル等も販売されています。ゴールデンウィークに、メロンづくしもいいかもしれないですね。

  • 放射線で品種改良を

    今回は植物の放射線育種についてご紹介します。

    放射線育種とは、植物に放射線(x線、γ線、電子線、イオンビームなど)を照射することにより、遺伝子を1つか2つ壊すことで突然変異を起こし、形質が様々に変化した突然変異帯の中から有用な形質を持つものを選抜する品種改良法です。

    植物で人為突然変異を誘発した最初の成功例は、1928年に米国ミズーリ大学のStadler博士が、トウモロコシやコムギの発芽種子にX線を照射した実験であるといわれています。

    品種改良の方法として、遺伝子組換えというものがありますが、放射線育種はこれとは全く別の技術です。
    遺伝子組換え技術が、対象の植物に本来存在しない遺伝子を導入することで新しい品種を作るのに対し、放射線育種は植物が本来持っている遺伝子を壊すことにより変異を促すのです。簡単にいうと、遺伝子組換えが遺伝子をプラスするのに対し、放射線育種は遺伝子をマイナスさせるものなのです。

    この技術の利用例として病気に強い果物を作るという試みが昔からなされています。
    「二十世紀梨」は非常に良い品質を持ち、青ナシの主要品種として栽培されてきました。しかし、ナシ黒斑病という病気にかかりやすく、それを防ぐために多大な労力が払われてきました。そこで、γ線の照射により突然変異体を得る実験が行われました。その結果、黒斑病への抵抗性を持つ以外は二十世紀梨とほぼ同じ性質を持つ梨を生み出すことに成功しました。
    この梨は「ゴールド二十世紀」と名付けられ現在も販売されています。

    この他にも様々な場面で放射線を利用した技術が活躍しているので、またの機会にご紹介します。