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  • 品種改良の成果:玉菜と通年生産

    玉菜とは、キャベツの別名です。キャベツは、江戸時代前期にはじめて日本に持ち込まれ、主に観賞用として少量栽培されました。本格的に普及をしたのは、明治以降ですが、それまでたくさんの呼び名がありました。

    由来毎の呼び名

    キャベツは、古代ギリシャ・古代ローマでは薬草や健康食として食されていました。その歴史から、多くの名前を持っています。先ほどの玉菜は、葉が結球する性質から、キャベツは、フランス語の頭、頭でっかちをあわらすcabocheから、甘藍(かんらん)は中国語の甘藍(ganlan)から、と様々です。

    結球するのは難しい?

    一般に結球する野菜の栽培は、難しいと言われています。キャベツも、野生種では結球しないものもあります。キャベツの起源であるケールから、世界各地で行われてきた品種改良で、きれいに結球するキャベツが誕生したと言えるでしょう。最近では、グリーンボールという品種まで登場しています。

    一年中とれるのは?

    明治時代に日本政府が導入したキャベツ栽培は、東京と北海道だったと言われています。今では、品種改良と生産地の多様化から一年中食すことができる野菜になっています。冬キャベツが愛知県、春キャベツが千葉県、神奈川県、茨城県、夏秋キャベツは群馬県、北海道、長野です。

    今の春の季節は、三浦半島の三浦キャベツがやわかくて美味しいキャベツとして有名です。春の旅行に、暖かな日差しで栽培された三浦半島のキャベツを見に行くのも良いかもしれません。

    キャベツ -wikipedia

  • いちご王国 栃木

    日本一のいちご王国として知られている栃木には、栃木県農業試験場の「いちご研究室」があります。正式名称は、栃木県農業試験場 栃木分場です。いちご研究室からは、いちご王国栃木をささえる「養液栽培技術」が生み出されています。この養液栽培方式では、「クリプトモス」と呼ばれる、杉とヒノキの樹皮を使った堆肥を利用しています。従来の方式と比べ、いくつもの有利な点がありますが、その中でも、高設ベンチを使い、作業者の負担軽減をしていることが注目されます。

    栃木農業試験場発行「クリプトモスを用いた 環境にやさしい いちごの養液栽培技術」図1、図2

    <栃木農業試験場発行の「クリプトモスを用いた環境にやさしいいちごの養液栽培技術」に記載されている図>

    このような農業試験場の活動は、一般の方々に知られることはありませんが、農業の未来、食の未来を担っている活動といえるでしょう。

  • 甲州ブドウ:ワインで世界へ

    山梨のブドウが、世界にはばたこうとしています。

    ブドウと山梨の相性はバツグン

    山梨県は、ブドウ収穫量の24%を占める日本一のブドウ王国です。ブドウは日当たりがよく、乾燥した土地を好むという性質を持っています。山梨県は、年間日照時間はおよそ2,200時間と日本トップクラス。全国平均の1,900時間よりも300時間も長いのです。また、なだらかな斜面の続く甲府盆地は水はけが良いことで知られます。
    このように山梨の気候・地形が、ブドウの生産に適しているのです。

    ブドウからワインへ

    日本におけるワイン生産の始まりは、明治時代の初期。フランスで醸造技術を学び帰国した青年2人が、山梨固有の品種、甲州種ブドウを使い、山梨は勝沼の地でワイン作りに着手したと言われています。

    2010年には、ワインの国際機関であるOIVが、甲州種をワイン醸造用のブドウとして認めました。EUにワインを輸出する際、ラベルに表示できるブドウ品種は、ヨーロッパの権威ある機関に登録されたものに限られます。OIVの認定を受けた事で、甲州種で作ったワイン「Koshu」は、EUに進出が可能となりました。日本のブドウ、日本のワインが、念願のスタートラインに立ったと言えるでしょう。

    挑戦は続く

    現在、山梨県内には80ものワイナリーが存在します。
    最近ではそのぶどうやワインを楽しむだけでなく、土地の歴史や景観、作り手の思いに触れるといった体験をパッケージした「ワインツーリズム」が盛り上がりを見せています。

    ワインをきっかけにした日本ワイン産地No.1山梨の挑戦はつづいていくのです。

  • 根が下に伸びるのは

    『根っこはどうして下に伸びるの?』という質問に回答できる方は、いらっしゃいますでしょうか?この問題は、簡単な科学で説明がつくそうです。

    答えは簡単、だけど難しい

    答えはとても簡単で「重力を感じているから」となります。しかし、難しいのは、「植物はどうやって重力を感じているのか?」なのです。ここで登場するのが、”オーキシン”という植物ホルモンです。植物ホルモンとは、植物のある部分でつくられ、からだの他の部分に運ばれて、ごくわずかの量で植物の成長や反応を調整する物質のことを言います。
    数ある植物ホルモンの中で、オーキシンは「植物の成長を促進する」働きがあります。

    重力の方向に移動

    オーキシンは、重力の方向に移動するという性質を持っています。この性質によって、オーキシンは根の先端方向に運ばれ、結果的に下へ下へと根を成長させていくのです。当然のように見えますが、ここで、もう1つ質問を考えてみてください。「なぜ茎や葉は重力に逆らって太陽の方向へ伸びていくのでしょうか?」実はこの鍵もオーキシンが握っています。

    光を避けて移動

    オーキシンのもうひとつの特徴が、光を避けて移動する、というものです。根が下に伸びるのは、オーキシンが重力方向に移動するためで納得がいきますが、これでは茎や葉も下へ伸びてしまうことになってしまいます。その疑問を解く鍵が、この光を避けて移動するという特徴なのです。

    確かにオーキシンは植物の成長を促進しますが、その働きには「最適濃度」というものがあります。そしてその最適濃度は植物の部位によって違います。具体的には 根>葉・茎 です。光を避けてオーキシンが茎や葉の下の方に溜まってくると、その濃度が最適濃度を越えてしまい、逆に成長を阻害してしまうのです。まさに「薬も過ぎれば毒となる”Too much wax burns the church.”」なのです。

    根の方で成長が阻害されると、相対的に上側がよく成長し、上へ上へ光の方へ伸びて行くのです。すなわち、先にしっかりと根が土の中に向けて成長し、そのあと芽を出し、植物全体として成長していくというシステムがオーキシン等の化学物質で実現されているということになるのです。植物体内で起きた化学反応が、人間からは植物の生長に見えるのです。

    植物の仕組みがわかると「宇宙で植物を育てるとどうなるかな?」等も楽しくなってきます。是非考えてみてください。

     

  • 桃源郷

    ふっくらとした見た目と、甘い果実で人々に愛される「」。
    収穫量日本一は「フルーツ王国」山梨県です。
    全国収穫量の3分の1以上、5万トン近くの桃が一つの県だけで収穫されています。

    見るためだけの桃の花「ハナモモ」

    楽しめるのは美味しさだけではありません。桃は、春先にかけて、実に美しい花を咲かせます。
    高台から甲府盆地を見下ろすと、眼下にはまるでピンクの絨毯を敷きつめたかのような光景がいっぱいに広がります。
    一番の見頃は例年ですと4月上旬から中旬となっています。
    ハナモモ

    上の写真は、ハナモモといって、花を見るためだけに改良された桃です。
    普通の桃のよりも花びらが多く、目にも華やかで見応え十分ですね。

    花を摘む?

    一体何をしているのでしょうか?
    CIMG1570.JPG
    実は、花を詰んでいるのです。
    せっかく咲いた花なのに?と思いますが、これも桃の収穫のためなのです。
    実がなることを考え、下向きに咲いた花だけを残して、他の花はすべて摘んでいきます。
    私たちがおいしい桃を食べることができるのは、農家の方々のこうした丁寧な手入れのおかげなのですね。

    絶好のポイントはココ

    私のおすすめはなんといっても、見頃のシーズンのドライブです。
    絶好のポイントは中央道の一宮御坂IC〜勝沼IC付近。
    あたりに広がる桃畑と背後に連なる南アルプスの山々が、一度に堪能でき、なんとも贅沢な気分になります。
    春の陽気と心地よい風が、心身ともにリフレッシュさせてくれることでしょう。

    今年は開花がとても早い

    3月の中旬から下旬にかけて、初夏のような日が続きました。
    その影響で今年は例年よりも開花が早まり、標高の低いエリアはほぼ満開をむかえています。
    ただ、標高の高いエリアではまだまだこれからですので、来週も引き続き楽しめることと思います。
    今週末は、今年最後の桃のお花見のチャンスかもしれません。
    ぜひお出掛けしてみてはいかがでしょうか?

  • ワイン用のブドウ

    ブドウと一口に言っても、その種類は非常に多くおよそ10,000種にもなります。
    それらは大別すればヨーロッパ種、アメリカ種の2つに分類することができ、ヨーロッパ種は主にワイン用に、アメリカ種は主に生食用に、それぞれ栽培されています。

    ブドウの種類

    ワイン用のお話の前に、ブドウそのものの種類と、特徴をご紹介します。

    ヨーロッパ種

    アメリカ種

    • 特有の甘い香りをもつが風味で劣る
    • 寒さ、病害虫に強い
    • 湿った気候でも育つ
    • 代表的な品種:コンコード

    ブドウの品種の特性が、ヨーロッパ種がワイン用に、アメリカ種が生食用に用いられる理由である事がご理解いただけると思います。ヨーロッパ種の、酸味や糖度の高さはワインの味の奥深さを追求する為には必須ですし、粒の小ささは皮や種の比率が大きいことにつながりワインの香りを生み出すのに適していると考える事ができます。

    一方のアメリカ種は、やはり風味の面で劣るという点でワイン用には向かないとされています。したがって生食用やジュースの原料として主に利用されています。またフォクシー香とよばれる独特の香りがワイン専門家らには好まれないようです。

    ワイン用ぶどうの生産量

    世界で生産されるブドウの80%近くがワイン用です。日本では、この状況が一変します。実は、日本で生産されるブドウの80%が食用です。湿潤な気候の日本では、雨や湿気に弱いヨーロッパ種のブドウが育てられなかったことによるものです。

    最近では研究による品種改良などで日本の気候に適応したワイン向けブドウの栽培も可能になってきています。例えば、「日本のワインの父」こと川上善兵衛氏の開発したマスカットベリーAという種は、寒さと多湿に強いという特徴を持ち、生食のみならず醸造にも使えるために日本の赤ワイン生産において地位を築いています。
    このような努力による進歩もあり、日本特有の種によるワインの生産が今後ますます発展していくことが期待されています。

  • 葉ネギ

    前回ネギをご紹介しましたが、ネギには、もうひとつ 葉ネギと呼ばれる種類のネギがあります。京都の九条葱という葉ネギをご存知の方も多い事でしょう。葉ネギは、根深ネギと同じ分類になりますが、見た目も食感もずいぶんと異なります。
    葉ネギの代表格とも言える九条葱は、自生していたネギを栽培したものと言われています。今では、京都ではネギといえば九条葱をさすほどです。これまで「九条葱フェスティバル」など、名前のついたお祭りも開催されており、地域住民からも、そして他の地域からも愛されている野菜のひとつなのです。

    ネギ-wikipedia

    九条葱-wikipesia

  • 深谷ネギ

    深谷ネギをご存知でしょうか?実は、この深谷ネギとう名称を品種と思われる方もいらっしゃいますが、埼玉県深谷市近辺で栽培されるネギ(根深ねぎ)の総称です。ネギは、一年中収穫される野菜の代表格で、深谷市でも通年を通して収穫されます。知名度No1の深谷ネギではありますが、生産量だけをみると、ネギの生産量は、埼玉は、千葉に続く第2位です。他に知名度が高いネギは、下仁田ネギ(下仁田町)、千住ネギ(千住)等がありますが、生産量No1千葉は、矢切ネギ(松戸)くらいしかありません。
    生産量世界一は中国ですが、日本は敷地面積の収穫量で世界一です。日本の農業技術が光る野菜のうちの一つなのです。

    ネギ-wikipedia

  • 「天使のしふぉん」の登録査定が終了しました

    当社加工食品製造販売事業として準備を進めておりますが、ブランド名称「天使のしふぉん」の商標について、登録査定が完了いたしました。すでに商標登録のための支払いも完了しており、正式な商標登録を待つばかりとなりました。

    シフォンの試験提供についても、また工房準備も順調に進んでおります。

    5月初旬の正式リリースに向け、全力で進めてまいります。

  • 椎茸を作る達人 茸師(なばし)

    大分では、椎茸のことを、茸(なば)と呼びます。江戸時代に始まった椎茸栽培の生産者は、その技術を大変珍重されていて、尊敬の意味を込めて「茸師(なばし)」と呼ばれています。大分は、干し椎茸の生産量日本一を誇ります。(生椎茸は、徳島が生産量日本一です。)どんこ、こうしん、こうこ、などの品種が有名で、どんこは輸出もされています。

    干し椎茸は、昆布や、鰹節と同じく主にだしをとるための食材ですが、生椎茸よりも干し椎茸のほうが、うまみ成分であるグアニル酸の含有量が10倍ほどあると言われています。干し椎茸を生産する、乾燥、戻しの過程で、グアニル酸が大量に生成されるそうです。グアニル酸を壊さないよう、低温の水で戻す、すなわち「冷蔵庫で、水につけて、24時間」が、干し椎茸を使うコツのようです。

    今晩の夕食あたり、しっかりとだしの効いたお料理を、大分の達人 茸師の皆さんが作った干し椎茸で作ってみるのはいかがでしょうか?

    シイタケ -wikipedia