カテゴリー: Vegetablesgreens

  • 桃源郷

    ふっくらとした見た目と、甘い果実で人々に愛される「」。
    収穫量日本一は「フルーツ王国」山梨県です。
    全国収穫量の3分の1以上、5万トン近くの桃が一つの県だけで収穫されています。

    見るためだけの桃の花「ハナモモ」

    楽しめるのは美味しさだけではありません。桃は、春先にかけて、実に美しい花を咲かせます。
    高台から甲府盆地を見下ろすと、眼下にはまるでピンクの絨毯を敷きつめたかのような光景がいっぱいに広がります。
    一番の見頃は例年ですと4月上旬から中旬となっています。
    ハナモモ

    上の写真は、ハナモモといって、花を見るためだけに改良された桃です。
    普通の桃のよりも花びらが多く、目にも華やかで見応え十分ですね。

    花を摘む?

    一体何をしているのでしょうか?
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    実は、花を詰んでいるのです。
    せっかく咲いた花なのに?と思いますが、これも桃の収穫のためなのです。
    実がなることを考え、下向きに咲いた花だけを残して、他の花はすべて摘んでいきます。
    私たちがおいしい桃を食べることができるのは、農家の方々のこうした丁寧な手入れのおかげなのですね。

    絶好のポイントはココ

    私のおすすめはなんといっても、見頃のシーズンのドライブです。
    絶好のポイントは中央道の一宮御坂IC〜勝沼IC付近。
    あたりに広がる桃畑と背後に連なる南アルプスの山々が、一度に堪能でき、なんとも贅沢な気分になります。
    春の陽気と心地よい風が、心身ともにリフレッシュさせてくれることでしょう。

    今年は開花がとても早い

    3月の中旬から下旬にかけて、初夏のような日が続きました。
    その影響で今年は例年よりも開花が早まり、標高の低いエリアはほぼ満開をむかえています。
    ただ、標高の高いエリアではまだまだこれからですので、来週も引き続き楽しめることと思います。
    今週末は、今年最後の桃のお花見のチャンスかもしれません。
    ぜひお出掛けしてみてはいかがでしょうか?

  • ワイン用のブドウ

    ブドウと一口に言っても、その種類は非常に多くおよそ10,000種にもなります。
    それらは大別すればヨーロッパ種、アメリカ種の2つに分類することができ、ヨーロッパ種は主にワイン用に、アメリカ種は主に生食用に、それぞれ栽培されています。

    ブドウの種類

    ワイン用のお話の前に、ブドウそのものの種類と、特徴をご紹介します。

    ヨーロッパ種

    アメリカ種

    • 特有の甘い香りをもつが風味で劣る
    • 寒さ、病害虫に強い
    • 湿った気候でも育つ
    • 代表的な品種:コンコード

    ブドウの品種の特性が、ヨーロッパ種がワイン用に、アメリカ種が生食用に用いられる理由である事がご理解いただけると思います。ヨーロッパ種の、酸味や糖度の高さはワインの味の奥深さを追求する為には必須ですし、粒の小ささは皮や種の比率が大きいことにつながりワインの香りを生み出すのに適していると考える事ができます。

    一方のアメリカ種は、やはり風味の面で劣るという点でワイン用には向かないとされています。したがって生食用やジュースの原料として主に利用されています。またフォクシー香とよばれる独特の香りがワイン専門家らには好まれないようです。

    ワイン用ぶどうの生産量

    世界で生産されるブドウの80%近くがワイン用です。日本では、この状況が一変します。実は、日本で生産されるブドウの80%が食用です。湿潤な気候の日本では、雨や湿気に弱いヨーロッパ種のブドウが育てられなかったことによるものです。

    最近では研究による品種改良などで日本の気候に適応したワイン向けブドウの栽培も可能になってきています。例えば、「日本のワインの父」こと川上善兵衛氏の開発したマスカットベリーAという種は、寒さと多湿に強いという特徴を持ち、生食のみならず醸造にも使えるために日本の赤ワイン生産において地位を築いています。
    このような努力による進歩もあり、日本特有の種によるワインの生産が今後ますます発展していくことが期待されています。

  • 葉ネギ

    前回ネギをご紹介しましたが、ネギには、もうひとつ 葉ネギと呼ばれる種類のネギがあります。京都の九条葱という葉ネギをご存知の方も多い事でしょう。葉ネギは、根深ネギと同じ分類になりますが、見た目も食感もずいぶんと異なります。
    葉ネギの代表格とも言える九条葱は、自生していたネギを栽培したものと言われています。今では、京都ではネギといえば九条葱をさすほどです。これまで「九条葱フェスティバル」など、名前のついたお祭りも開催されており、地域住民からも、そして他の地域からも愛されている野菜のひとつなのです。

    ネギ-wikipedia

    九条葱-wikipesia

  • 深谷ネギ

    深谷ネギをご存知でしょうか?実は、この深谷ネギとう名称を品種と思われる方もいらっしゃいますが、埼玉県深谷市近辺で栽培されるネギ(根深ねぎ)の総称です。ネギは、一年中収穫される野菜の代表格で、深谷市でも通年を通して収穫されます。知名度No1の深谷ネギではありますが、生産量だけをみると、ネギの生産量は、埼玉は、千葉に続く第2位です。他に知名度が高いネギは、下仁田ネギ(下仁田町)、千住ネギ(千住)等がありますが、生産量No1千葉は、矢切ネギ(松戸)くらいしかありません。
    生産量世界一は中国ですが、日本は敷地面積の収穫量で世界一です。日本の農業技術が光る野菜のうちの一つなのです。

    ネギ-wikipedia

  • 椎茸を作る達人 茸師(なばし)

    大分では、椎茸のことを、茸(なば)と呼びます。江戸時代に始まった椎茸栽培の生産者は、その技術を大変珍重されていて、尊敬の意味を込めて「茸師(なばし)」と呼ばれています。大分は、干し椎茸の生産量日本一を誇ります。(生椎茸は、徳島が生産量日本一です。)どんこ、こうしん、こうこ、などの品種が有名で、どんこは輸出もされています。

    干し椎茸は、昆布や、鰹節と同じく主にだしをとるための食材ですが、生椎茸よりも干し椎茸のほうが、うまみ成分であるグアニル酸の含有量が10倍ほどあると言われています。干し椎茸を生産する、乾燥、戻しの過程で、グアニル酸が大量に生成されるそうです。グアニル酸を壊さないよう、低温の水で戻す、すなわち「冷蔵庫で、水につけて、24時間」が、干し椎茸を使うコツのようです。

    今晩の夕食あたり、しっかりとだしの効いたお料理を、大分の達人 茸師の皆さんが作った干し椎茸で作ってみるのはいかがでしょうか?

    シイタケ -wikipedia

  • 3本がスタート青森リンゴ

    明治8年、青森にはじめてもちこまれたわずあ3本の西洋リンゴの木が、今では、国内生産の5割以上までに生産されるようになっています。青森の気候が、西洋リンゴの育成に最も適しているからと言われています。品種改良も盛んに行われ、もっとも成功した品種「ふじ」は、世界中にFujiの名で広まり、今では、米国のスーパーでも見かけるようになりました。実は、このFuji、世界で最も生産量の多い品種となっています。

    わずか3本の木が日本に入り、その品種が、日本の技術で新しく生まれ変わり、そして世界一の生産量の品種になる。農業の世界でも、日本の生産技術がNo.1になってほしいですね。

    りんご -wikipedia

  • 根ではないカブ

    カブは、千葉県を筆頭に、埼玉、青森等で生産されるアブラナ科アブラナ属の根菜(こんさい)です。根菜という単語からも、カブの主に食用にする白く土中にある部位を、根であると思われている方が多いかと思いますが、実はこの部分、根ではありません。直根、胚軸(はいじく)等と呼ばれる、葉の付け根が、肥大化したものと言われています。では、本当の根はどこか?というと、その下に細く小さく伸びるヒゲのような部位が根です。

    中国や日本では、葉、胚軸の部分とも古くから食用にされていました。春の七草スズナとして、また、当社のロゴにも登場しているカブですが、古くから愛されている野菜の一つなのです。

  • 歴史ある小麦

    北海道の大地で栽培される小麦をご覧になった方も多いかと思います。梅雨が無い北海道は、乾燥に強い小麦の生産量の日本一です。一方で、世界に目を向けると日本は生産量が多い国ではありません。生産量が多いのは、実は、中国、インド、アメリカ、ロシア、フランスで、この5カ国で世界の生産量の5割を超えています。日本には、アメリカ産の小麦が多く輸入されています。アメリカから輸入される多くの小麦がパン製造のために利用されます。日本で生産される小麦は、麺類製造に使われる事が多く、これは生産の難しさからパン用小麦の栽培を敬遠する傾向にあるからだそうです。

    アメリカ、日本以外の小麦ですと、デュラム小麦が有名です。地中海沿岸やアメリカで生産されており、セモリナと呼ばれる粗挽きの状態で、パスタの原料として使われます。デュラム セモリナ粉という言葉をお聞きの方も多い事でしょう。このデュラム小麦等は、日本での栽培はあまり適さないと言われており、海外の生産に頼っていいます。2006年の10アール当たりの反収は、集約型の農業が行われているイギリス、フランス、ドイツの700㎏以上に対し、日本は380kg程度となります。生産に適した気候である事もさることながら、紀元前から小麦を重要な食物としてきたヨーロッパと、シルクロードをつうじて伝わってきた日本の歴史の違いが影響しているのかもしれません。

    コムギ-wikipedia

  • 日本なし

    昨日ご紹介した里芋と同様、なしも、千葉が生産量トップの果実です。千葉県内に行くと、9月頃からなし狩りができる農園もたくさん街道沿いにあり、みずみずしいなしを食べる事ができます。幸水、豊水など水に関わる名前がついている品種もあり、その食感を連想させます。

    この「なし」ですが、大きくは、日本なし、洋なし、中国なしに分類され、日本で言うなしは、日本なしをさします。wikipediaでは、和なしと紹介されています。品種として有名なのは、幸水、豊水、二十世紀がトップ3となります。これら3つの品種で、70%以上(それぞれ34%、30%、13%)となります。実は、幸水、豊水とも、二十世紀をルーツにもっています。

    http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:Pear_family_tree.png

    洋なしだけではなく、日本なしもワインの原材料にされたこともあり、今も生産が続いています。千葉県内でもなしの生産量の多い、鎌ヶ谷では、「梨のささやき」という幸水を使ったワインが地元の名物として販売されています。通販でも購入可能なようですので、ワイン好きの方は、一度おためしいただく価値はあるのではないでしょうか。

  • 里芋と千葉の土

    里芋の歴史は、稲作より古く縄文時代から栽培されてきました。これは、栽培が容易である事が起因しています。山でとられる山芋、自然薯に対して、里で栽培される里芋として定着しました。

    日本に限らず世界中でタロイモとして食べられています。日本で収穫量が一番多いのは、千葉県八街、富里地域です。千葉八街といえば、ピーナッツの生産が多いイメージがありますが、里芋、ピーナッツとも、土のphが、5.7-6.2程度が適していると言われており、偶然ではないのです。

    生産量から、その土地土地の特徴を見る事ができますね。