News/ニュース

  • 畑のキャビア:とんぶり

    畑のキャビアをご存知でしょうか。秋田の名産品「とんぶり」の別名です。とんぶりは、ホウキギという一年草の実を加工した食品です。ホウキギは、名前の通り、もともとはホウキを作るために栽培していた植物です。大飢饉が起きた際に、完熟した実をたべられるよう加工したのが始まりと言われています。当然生産量は、秋田県がナンバーワンです。

    秋田では、主に山芋、長芋にのせて食べることが多いようですが、レシピサイトを見ると、とんぼりの料理方法は、和え物、サラダを中心に、200以上も紹介されています。その中でも最も簡単なものは、マヨネーズと混ぜてソースを作るレシピです。毎日の食事に、とんぷりを入れるだけで食感が楽しめる新しいお料理に早変わりかもしれないですね。

    クックパッド とんぷり

     

  • 地域に根ざしたコミュニティとしてJA

    少し趣向を変えて、コミュニティとしてのJA(Japan Agricultural Cooperatives)に目を向けたいと思います。JAは、全国農業協同組合中央会が組織する農協グループ(総合農協)です。

    農家と消費者の接点としてのJA

    先日、当サイトでもご紹介した直売所を始め、お祭りへの出展や、イベント開催等、農家と消費者を地域に根ざしつなぐコミュニティの役割を果たしています。農業従事者の数が減少し続けていることを考えると、このような消費者との接点が今後重要になると考えられ、JAの担う役割は大きいと言えるでしょう。

    農家ではなくても使えるJAバンク

    JAバンクは、農家じゃないと使えないのでは?と思われる方も多いかもしれませんが、実は、JAバンクは、どなたでもお使いになれます。私のおすすめは、住宅ローンで、他の金融機関に負けない良いサービスを提供されています。

    保険も有利に、JA共済

    子供が生まれて学資保険等を検討する際、忘れたくないのがJA共済のこども共済です。宣伝めいた書き方になってしまいますが、前述の住宅ローンと同様、たいへんよいサービスを展開されています。組合員になることで、JA共済も利用可能になります。(なお、保険と共済は、法律上若干異なる部分がございますので、ご注意ください。)

     

    まるでJAの宣伝のようなエントリになってしまいましたが、農家ではないとあまり足を運ぶことの無いJAが、多くの消費者にも役に立つ活動をしていることをご理解いただきたいと感じ、ご紹介しました。これからは、消費者からも積極的にJAや農家の方と関わっていく時代になるのかもしれません。

  • 「農学」の在り方について

    はじめに

    本稿は、東京大学大学院 登 達也さんからご寄稿をいただき掲載したものです。

    農学

    「農学」という学問について寄稿させていただきます。

    「農学」とは農業・林業・水産業・畜産業などに関わる、応用的な学問とされています。「応用的」というのは、我々の生活に役立つことを目指しているという意味です。この農学の在り方が体現された例を1つご紹介します。福島第一原発事故を受けた農業現場での問題に対する、東京大学大学院農学生命科学研究科の取り組みです。

    事例:福島第一原子力発電所

    福島第一原子力発電所の事故では、被災地のほぼ 8 割にあたる地域が森林も含め、農業関連地と言われています。農業現場における科学的知見がわかることこそ、農業復興への第一歩であるという考えに基づき、事故直後から農学生命科学研究科では、各専門家から農業の復興に役立つ研究計画が集められました。その結果、約50人からの提案が出されました。ただ、農業関連の被災地現場とは自然の場そのもののでもあり、その研究対象は複雑で、ひとつの専門分野の研究だけでは手に負えないことがほとんどです。そこで、農学生命科学研究科では集められた研究計画を穀物、畜産物、魚介類、フィールドなどの分野にわけた上で、各分野を串刺しにする形のチームが結成されました。そうすることで、例えば、”稲作”についてはイネの栽培の専門家、土壌の専門家、水利の専門家などが集まって議論することが可能となり、初めて汚染米が出てくるメカニズムが解明されているのです。

    これらの研究の成果については、「放射能の農畜水産物等への影響についての研究報告会」という場において、定期的に報告がなされており、2013年4月20日に第6回目が開催されます。

    日時 2013年4月20日(土) 13:00~17:00
    場所 東京大学弥生講堂・一条ホール
    対象 一般(どなたでも参加できます)
    定員 300名(当日先着順、事前登録不要)
    参加費 無料

    世界への発信

    このような活動を世界への発信することを目的とし、研究成果を英語でまとめた本がSpringer社より出版されております。こちら、オンライン版は無料でダウンロードすることができます。
    http://link.springer.com/book/10.1007/978-4-431-54328-2/page/1

    人々の生活を豊かにすること目指す「農学」。様々な専門性が融合することで、より大きな価値を生み出していけることを、この取り組みは示しているのではないでしょうか。

  • 品種改良の成果:玉菜と通年生産

    玉菜とは、キャベツの別名です。キャベツは、江戸時代前期にはじめて日本に持ち込まれ、主に観賞用として少量栽培されました。本格的に普及をしたのは、明治以降ですが、それまでたくさんの呼び名がありました。

    由来毎の呼び名

    キャベツは、古代ギリシャ・古代ローマでは薬草や健康食として食されていました。その歴史から、多くの名前を持っています。先ほどの玉菜は、葉が結球する性質から、キャベツは、フランス語の頭、頭でっかちをあわらすcabocheから、甘藍(かんらん)は中国語の甘藍(ganlan)から、と様々です。

    結球するのは難しい?

    一般に結球する野菜の栽培は、難しいと言われています。キャベツも、野生種では結球しないものもあります。キャベツの起源であるケールから、世界各地で行われてきた品種改良で、きれいに結球するキャベツが誕生したと言えるでしょう。最近では、グリーンボールという品種まで登場しています。

    一年中とれるのは?

    明治時代に日本政府が導入したキャベツ栽培は、東京と北海道だったと言われています。今では、品種改良と生産地の多様化から一年中食すことができる野菜になっています。冬キャベツが愛知県、春キャベツが千葉県、神奈川県、茨城県、夏秋キャベツは群馬県、北海道、長野です。

    今の春の季節は、三浦半島の三浦キャベツがやわかくて美味しいキャベツとして有名です。春の旅行に、暖かな日差しで栽培された三浦半島のキャベツを見に行くのも良いかもしれません。

    キャベツ -wikipedia

  • いちご王国 栃木

    日本一のいちご王国として知られている栃木には、栃木県農業試験場の「いちご研究室」があります。正式名称は、栃木県農業試験場 栃木分場です。いちご研究室からは、いちご王国栃木をささえる「養液栽培技術」が生み出されています。この養液栽培方式では、「クリプトモス」と呼ばれる、杉とヒノキの樹皮を使った堆肥を利用しています。従来の方式と比べ、いくつもの有利な点がありますが、その中でも、高設ベンチを使い、作業者の負担軽減をしていることが注目されます。

    栃木農業試験場発行「クリプトモスを用いた 環境にやさしい いちごの養液栽培技術」図1、図2

    <栃木農業試験場発行の「クリプトモスを用いた環境にやさしいいちごの養液栽培技術」に記載されている図>

    このような農業試験場の活動は、一般の方々に知られることはありませんが、農業の未来、食の未来を担っている活動といえるでしょう。

  • 甲州ブドウ:ワインで世界へ

    山梨のブドウが、世界にはばたこうとしています。

    ブドウと山梨の相性はバツグン

    山梨県は、ブドウ収穫量の24%を占める日本一のブドウ王国です。ブドウは日当たりがよく、乾燥した土地を好むという性質を持っています。山梨県は、年間日照時間はおよそ2,200時間と日本トップクラス。全国平均の1,900時間よりも300時間も長いのです。また、なだらかな斜面の続く甲府盆地は水はけが良いことで知られます。
    このように山梨の気候・地形が、ブドウの生産に適しているのです。

    ブドウからワインへ

    日本におけるワイン生産の始まりは、明治時代の初期。フランスで醸造技術を学び帰国した青年2人が、山梨固有の品種、甲州種ブドウを使い、山梨は勝沼の地でワイン作りに着手したと言われています。

    2010年には、ワインの国際機関であるOIVが、甲州種をワイン醸造用のブドウとして認めました。EUにワインを輸出する際、ラベルに表示できるブドウ品種は、ヨーロッパの権威ある機関に登録されたものに限られます。OIVの認定を受けた事で、甲州種で作ったワイン「Koshu」は、EUに進出が可能となりました。日本のブドウ、日本のワインが、念願のスタートラインに立ったと言えるでしょう。

    挑戦は続く

    現在、山梨県内には80ものワイナリーが存在します。
    最近ではそのぶどうやワインを楽しむだけでなく、土地の歴史や景観、作り手の思いに触れるといった体験をパッケージした「ワインツーリズム」が盛り上がりを見せています。

    ワインをきっかけにした日本ワイン産地No.1山梨の挑戦はつづいていくのです。

  • RSS フィードの不具合を修正しました

    株式会社 青山ファームWebサイトにおいて、RSSの配信に一部不具合がありました。2013年4月4日現在修正を完了しております。ご迷惑をおかけしましたことをお詫びいたします。

    株式会社 青山ファーム Webサイト http://aoyamafarm.co.jp/

    株式会社 青山ファーム RSSフィード http://aoyamafarm.co.jp/feed/

  • 農林水産省 産業連携ネットワークに参加します

    株式会社 青山ファームは、農林水産省様が推進する「産業連携ネットワーク」に参加させていただくこととなりました。産業連携ネットワークは、多様な産業等の連携により6次産業化の流れを加速化し、農林漁業の成長産業化を実現するため、農林水産業界に加え、産業界、金融、消費者、シンクタンク、研究等の多様かつ広範な関係者の知恵を結集し、相互に連携する場(プラットホーム)の役割を果たすグループです。
    株式会社 青山ファームが持つ、ソーシャルネットワークの知見をフルに活用いただけるよう努力して参ります。

    農林水産省 産業連携ネットワーク

  • 根が下に伸びるのは

    『根っこはどうして下に伸びるの?』という質問に回答できる方は、いらっしゃいますでしょうか?この問題は、簡単な科学で説明がつくそうです。

    答えは簡単、だけど難しい

    答えはとても簡単で「重力を感じているから」となります。しかし、難しいのは、「植物はどうやって重力を感じているのか?」なのです。ここで登場するのが、”オーキシン”という植物ホルモンです。植物ホルモンとは、植物のある部分でつくられ、からだの他の部分に運ばれて、ごくわずかの量で植物の成長や反応を調整する物質のことを言います。
    数ある植物ホルモンの中で、オーキシンは「植物の成長を促進する」働きがあります。

    重力の方向に移動

    オーキシンは、重力の方向に移動するという性質を持っています。この性質によって、オーキシンは根の先端方向に運ばれ、結果的に下へ下へと根を成長させていくのです。当然のように見えますが、ここで、もう1つ質問を考えてみてください。「なぜ茎や葉は重力に逆らって太陽の方向へ伸びていくのでしょうか?」実はこの鍵もオーキシンが握っています。

    光を避けて移動

    オーキシンのもうひとつの特徴が、光を避けて移動する、というものです。根が下に伸びるのは、オーキシンが重力方向に移動するためで納得がいきますが、これでは茎や葉も下へ伸びてしまうことになってしまいます。その疑問を解く鍵が、この光を避けて移動するという特徴なのです。

    確かにオーキシンは植物の成長を促進しますが、その働きには「最適濃度」というものがあります。そしてその最適濃度は植物の部位によって違います。具体的には 根>葉・茎 です。光を避けてオーキシンが茎や葉の下の方に溜まってくると、その濃度が最適濃度を越えてしまい、逆に成長を阻害してしまうのです。まさに「薬も過ぎれば毒となる”Too much wax burns the church.”」なのです。

    根の方で成長が阻害されると、相対的に上側がよく成長し、上へ上へ光の方へ伸びて行くのです。すなわち、先にしっかりと根が土の中に向けて成長し、そのあと芽を出し、植物全体として成長していくというシステムがオーキシン等の化学物質で実現されているということになるのです。植物体内で起きた化学反応が、人間からは植物の生長に見えるのです。

    植物の仕組みがわかると「宇宙で植物を育てるとどうなるかな?」等も楽しくなってきます。是非考えてみてください。

     

  • 桃源郷

    ふっくらとした見た目と、甘い果実で人々に愛される「」。
    収穫量日本一は「フルーツ王国」山梨県です。
    全国収穫量の3分の1以上、5万トン近くの桃が一つの県だけで収穫されています。

    見るためだけの桃の花「ハナモモ」

    楽しめるのは美味しさだけではありません。桃は、春先にかけて、実に美しい花を咲かせます。
    高台から甲府盆地を見下ろすと、眼下にはまるでピンクの絨毯を敷きつめたかのような光景がいっぱいに広がります。
    一番の見頃は例年ですと4月上旬から中旬となっています。
    ハナモモ

    上の写真は、ハナモモといって、花を見るためだけに改良された桃です。
    普通の桃のよりも花びらが多く、目にも華やかで見応え十分ですね。

    花を摘む?

    一体何をしているのでしょうか?
    CIMG1570.JPG
    実は、花を詰んでいるのです。
    せっかく咲いた花なのに?と思いますが、これも桃の収穫のためなのです。
    実がなることを考え、下向きに咲いた花だけを残して、他の花はすべて摘んでいきます。
    私たちがおいしい桃を食べることができるのは、農家の方々のこうした丁寧な手入れのおかげなのですね。

    絶好のポイントはココ

    私のおすすめはなんといっても、見頃のシーズンのドライブです。
    絶好のポイントは中央道の一宮御坂IC〜勝沼IC付近。
    あたりに広がる桃畑と背後に連なる南アルプスの山々が、一度に堪能でき、なんとも贅沢な気分になります。
    春の陽気と心地よい風が、心身ともにリフレッシュさせてくれることでしょう。

    今年は開花がとても早い

    3月の中旬から下旬にかけて、初夏のような日が続きました。
    その影響で今年は例年よりも開花が早まり、標高の低いエリアはほぼ満開をむかえています。
    ただ、標高の高いエリアではまだまだこれからですので、来週も引き続き楽しめることと思います。
    今週末は、今年最後の桃のお花見のチャンスかもしれません。
    ぜひお出掛けしてみてはいかがでしょうか?